在留期間の更新を忘れないために|タイミング・必要書類・不許可を避けるコツ|下松の行政書士が解説
在留期間の更新を忘れないために|タイミング・必要書類・不許可を避けるコツ|下松の行政書士が解説
「気づいたら在留期間の満了日が近づいていた」――外国人ご本人からも、受け入れ企業の担当者さまからも、よくいただくご相談です。更新はいつから申請できるのか、何を用意するのか、うっかり満了日を過ぎたらどうなるのか。数値や仕組みは出入国在留管理庁の公表資料で確認しながら、落ち着いて準備できるように順を追ってお話しします。
この記事でわかること
- 在留期間更新許可申請は、日本での活動を続けるために在留期間の満了前に行う手続き(入管法第21条)。
- 6か月以上の在留期間をお持ちの方は、満了のおおむね3か月前から申請を受け付けてもらえる(出入国在留管理庁で確認)。
- 必要書類は在留資格ごとに異なる。在留カード・パスポート・写真に加え、活動状況を示す資料が必要。
- いわゆる「特例期間」――満了日までに申請していれば、処分までの間、満了後2か月を上限に従前の在留資格のまま在留を続けられる。
- 更新は「相当の理由」があるときに許可されるもの。素行・納税・届出・活動実態などが公表ガイドラインで考慮される。

在留期間更新許可申請とは
日本に在留する外国人の方には、在留資格ごとに「在留期間」が定められています。たとえば「1年」「3年」「5年」といった期限です。この期間を超えて、同じ在留資格のまま日本での活動を続けたいときに行うのが、在留期間更新許可申請です。根拠となるのは「出入国管理及び難民認定法」(入管法)の第21条です。
出入国在留管理庁は、この制度について、外国人がいったん出国して査証(ビザ)を取り直す負担を軽くするために設けられた仕組み、と説明しています。つまり、日本での生活や仕事を途切れさせずに続けるための、いわば「定番の手続き」です。
在留期間の更新を受けようとする外国人は、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し在留期間の更新を申請しなければならない。(入管法第21条の趣旨。出入国在留管理庁の解説による)
ここで大切なのは、更新は「申請すれば自動的に通る」ものではない、という点です。法務大臣が、引き続き日本での在留を認めるのが適当と判断したときに許可されます。だからこそ、時期を守り、必要な資料をきちんとそろえることが、遠回りを防ぐことにつながります。
申請できる時期――満了の「おおむね3か月前」から
まず押さえておきたいのが、申請できる時期です。出入国在留管理庁は、次のように案内しています。
申請の受付時期
在留期間の満了する日以前(6か月以上の在留期間を有する方は、在留期間の満了するおおむね3か月前から)に申請してください。(出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」より)
つまり、1年・3年・5年といった在留期間をお持ちの多くの方は、満了日の約3か月前から申請の準備を始められます。逆に言えば、ぎりぎりまで待つ必要はありません。書類の取り寄せや、勤務先での証明書の準備には思いのほか時間がかかることもありますので、余裕をもって着手されることをおすすめします。
必要書類の考え方――在留資格ごとに変わります
「必要書類の一覧をください」とよく言われますが、実は在留資格によって求められる書類が異なります。出入国在留管理庁も、日本での活動内容(在留資格)に応じた申請書・資料を提出する、という考え方を示しています。ここでは、多くのケースに共通する基本的なものと、資格ごとに変わる部分に分けて整理します。
多くの場合に共通するもの
- 在留期間更新許可申請書
- 写真(規定のサイズ。一部の在留資格を除く)
- パスポート(提示)
- 在留カード(提示)
在留資格ごとに変わるもの(例)
- 就労系(技術・人文知識・国際業務など):在職証明書、住民税の課税・納税証明書、会社の登記事項証明書や決算文書など
- 身分系(日本人の配偶者等・定住者など):世帯全体の状況や身分関係を示す資料など
- 留学:在学証明書、成績・出席状況の資料など
上に挙げたのはあくまで一例です。同じ「就労」でも職種や勤務先の規模で変わりますし、更新のたびに求められる資料が見直されることもあります。実際に準備を始める前に、ご本人の在留資格に対応した最新の案内を確認することをおすすめします。当事務所でも、まず在留資格を確認したうえで、必要な書類のリストをお示しするところから始めています。

申請できる人・手数料・かかる期間
手続きの実務的な部分も、あらかじめ知っておくと安心です。出入国在留管理庁の公表内容にもとづいて整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請できる人 | 申請人本人(外国人ご本人)/法定代理人/取次者(承認を受けた行政書士など、一定の要件を満たす方) |
| 手数料 | 許可されるとき6,000円(収入印紙で納付)。オンライン申請の場合は5,500円 |
| 標準処理期間 | おおむね2週間〜1か月(あくまで目安で、内容により前後します) |
| 提出先 | お住まいの地域を管轄する地方出入国在留管理官署(オンライン申請の制度もあります) |
手数料は「許可されるとき」に必要になるもので、申請の時点ではかかりません。標準処理期間が2週間〜1か月とされていることからも、満了直前ではなく、早めに申請しておく意味がおわかりいただけると思います。行政書士は、ご本人に代わって書類を作成し、取次者として申請を行うことができます(ご本人の負担を減らすための制度です)。
いわゆる「特例期間」とは――満了日を境に扱いが変わります
更新の話で必ず知っておいていただきたいのが、「特例期間」と呼ばれる仕組みです。審査には一定の日数がかかりますから、「申請はしたけれど、満了日までに結果が出ない」ということが起こり得ます。そのための救済がこの仕組みです。
特例期間(出入国在留管理庁の説明)
在留期間の満了の日までに更新(または変更)の申請をした場合、その処分がされる時、または在留期間の満了の日から2か月が経過する日が終了する時の、いずれか早い時まで、引き続き従前の在留資格をもって日本に在留でき、従前の活動を行うことができます。
かみ砕くと、こういうことです。
- 満了日までに申請を済ませていれば、審査中に在留期間が切れても、すぐ不法滞在になるわけではありません。
- 結果(許可または不許可)が出るまで、最長でも満了日から2か月までは、これまでの在留資格のまま日本に在留できます。
- この間は、従前の在留資格に応じた活動(就労を含む)も続けられます。就労中の方が安心して働き続けられる、という点で重要です。
更新が不許可になりやすいポイント
在留期間の更新は、法務大臣が「在留を認めることが適当と判断した場合」に許可されるものです。何を見て判断するのかについては、出入国在留管理庁が「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」を公表しています。そこで考慮事項として挙げられているのが、次のような点です。
活動の実態
申請する在留資格に本当に該当する活動をしているか、また現に持っている在留資格に応じた活動を実際に行っていたか。就労系なら、届け出た仕事の実態が伴っているかが見られます。
素行
素行が不良でないこと。刑事処分や重大な交通違反などがあると、マイナスに評価されることがあります。
生計・雇用条件
独立の生計を営むに足りる資産または技能があること、雇用・労働条件が適正であること。極端に低い報酬や不安定な就労は問題になり得ます。
納税義務の履行
税金(住民税など)をきちんと納めているか。滞納があると、更新に影響することがあります。証明書の提出を求められる場面も少なくありません。
届出義務の履行
入管法で定められた各種の届出(住居地の届出、所属機関の変更届など)を行っているか。忘れがちですが、確認される点です。
上陸基準への適合
在留資格ごとに定められた基準に適合していること。転職や業務内容の変化があった場合は、あらためて確認が必要です。
これらはガイドラインが示す「考慮事項」であり、どれか一つで機械的に決まるものではなく、総合的に判断されます。とはいえ、納税・届出・活動実態は、日ごろの心がけで整えられる部分です。転職した、勤務先が変わった、給与や役職が変わった――こうした変化があったときこそ、更新前に一度状況を整理しておくと安心です。
受け入れ企業の担当者さまへ
就労系の在留資格では、更新の可否が企業側の対応にも左右されます。ご本人任せにせず、会社としてスケジュールを把握しておくことが、思わぬ「うっかり満了」を防ぎます。
- 従業員一人ひとりの在留期間の満了日を一覧で管理し、3か月前を目安に声かけをする。
- 更新時に必要な在職証明書・給与関係の書類などを、社内でスムーズに出せる体制にしておく。
- 納税・社会保険の状況を適正に保つ。会社の対応が、本人の更新審査にも関わってきます。
- 転職・配置転換・業務内容の変更があったときは、更新前に在留資格との整合を確認する。
「誰の期限がいつ来るのか分からない」という段階からでも大丈夫です。まずは現状を棚卸しするところから、一緒に整えていきましょう。
下松・周南・光で更新をお考えの方へ
在留期間の更新は、慣れてしまえば難しすぎる手続きではありません。けれども、「申請できる時期」「在留資格ごとに変わる必要書類」「特例期間の正しい理解」「更新で見られるポイント」を押さえておかないと、直前になって慌てたり、書類の不足で時間を取られたりしがちです。
まずは満了日と現状をお聞かせください
「満了日が近い」「何を用意すればいいか分からない」という段階からのご相談を歓迎しています。在留資格を確認し、必要書類・費用・スケジュールを先にお示ししたうえで、書類作成から取次申請まで、一つずつ整理してご案内します。外国人ご本人からも、受け入れ企業さまからも、お気軽にどうぞ。
よくあるご質問(FAQ)
更新はいつから申請できますか?
6か月以上の在留期間をお持ちの方は、在留期間が満了するおおむね3か月前から申請を受け付けてもらえます(出入国在留管理庁の案内による)。書類の準備に時間がかかることもあるので、早めの着手をおすすめします。
満了日までに結果が出なかったら、不法滞在になりますか?
満了日までに申請を済ませていれば、いわゆる「特例期間」により、処分が出るまで、または満了日から2か月を上限に、従前の在留資格のまま在留・活動を続けられます。ただし、これは満了日までに申請していた場合の仕組みです。
必要書類の決まった一覧はありますか?
在留資格によって求められる資料が異なるため、一律の一覧はありません。在留カード・パスポート・写真・申請書は共通ですが、活動状況を示す資料は資格ごとに変わります。まず在留資格を確認してからご案内します。
税金の滞納があると更新に影響しますか?
公表されているガイドラインでは、納税義務等の履行が考慮事項として挙げられています。滞納があると不利にはたらくことがあり、証明書の提出を求められる場合もあります。心当たりがあれば、更新前にご相談ください。
転職しました。そのまま更新できますか?
転職や業務内容の変更があると、在留資格との整合や上陸基準への適合をあらためて確認する必要があります。場合によっては届出や別の手続きも関わります。更新の前に一度、状況を確認させてください。
