相続人の中に行方不明・音信不通の人がいる場合の手続き
相続人の中に行方不明・音信不通の人がいる場合の手続き
「兄が何十年も音信不通で、どこにいるのか分からない」「相続人の一人と連絡が取れず、話し合いが進められない」――遺産分割は相続人全員でするのが原則のため、一人でも欠けると手続きが止まってしまいます。この記事では、住所の調べ方・不在者財産管理人・失踪宣告という3つの対応と、その使い分けを整理します。
この記事でお伝えすること
- 遺産分割は相続人全員で行う必要があり、一人でも欠けると成立しません。
- まずは戸籍の附票などで住所を調べ、連絡を試みます。
- それでも所在が分からない場合は不在者財産管理人、生死不明が長期なら失踪宣告という方法があります。
- いずれも家庭裁判所の手続きが絡むため、早めの準備が大切です。

まずは住所を調べて連絡を試みる
「連絡が取れない」といっても、単に住所を知らないだけということも少なくありません。相続人であれば、戸籍をたどることで、相手の戸籍の附票(住所の履歴が分かる書類)を取得できる場合があります。そこから現在の住所を割り出し、まずは手紙で連絡を試みるのが第一歩です。
長年会っていない相手でも、手紙が届いて話し合いに応じてもらえれば、通常どおり遺産分割を進められます。いきなり法的な手続きに進む前に、この「探して連絡する」段階を丁寧に行うことが大切です。この戸籍調査は行政書士がお手伝いできます。
それでも所在が分からないとき(不在者財産管理人)
住所を調べても手紙が返ってくる、どうしても所在がつかめない――そんなときは、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる方法があります。これは、行方不明の相続人(不在者)の財産を管理し、その人に代わって遺産分割に関わる人を立てる制度です。
不在者財産管理人が遺産分割協議に加わるには、家庭裁判所の許可(権限外行為の許可)が必要です。不在者の取り分をないがしろにはできないため、その人の法定相続分に配慮した内容になるのが一般的です。

長期間、生死が分からないとき(失踪宣告)
行方不明の状態が長く続き、生死そのものが分からない場合には、失踪宣告という制度もあります。一定期間(普通失踪では原則7年間)生死が明らかでないときに、家庭裁判所の宣告によって、法律上は亡くなったものとして扱う仕組みです。
なお、震災や海難事故など、死亡の原因となる危難に遭遇した場合には、その危難が去ってから1年間で失踪宣告ができる「特別失踪」もあります。失踪宣告がされると、その人について相続が開始したものとして扱われ、遺産分割の当事者から外れます。ただし要件と手続きが厳格で、時間もかかります。
3つの対応方法の比較
| 方法 | 使う場面 | ポイント |
|---|---|---|
| 住所を調べて連絡 | 住所が分からないだけ | 連絡がつけば通常どおり協議できる。まず試すべき一歩。 |
| 不在者財産管理人 | 所在は不明だが生死は不明でない | 家庭裁判所で選任。協議参加には許可が必要。 |
| 失踪宣告 | 生死が長期間(原則7年)不明 | 法律上、死亡として扱う。要件・手続きが厳格。 |
※どの方法が適切かは、連絡の可否・不明期間・財産の状況によって変わります。まずは戸籍調査で状況を確かめるのが出発点です。
手続きを止めないために
相続人の一人と連絡が取れないと、預貯金の解約も不動産の名義変更も進められず、何年も塩漬けになってしまうことがあります。相続登記の義務化も始まっているため、放置は避けたいところです。
まず「誰が相続人か」を確定させましょう
連絡が取れない相続人がいる場合こそ、まずは戸籍をたどって相続人を確定し、住所を調べるところから始めます。当事務所は、戸籍収集・相続関係の整理・連絡文書の準備でお手伝いし、家庭裁判所の手続きが必要な場面では適切な専門家へおつなぎします。
よくあるご質問
連絡が取れない人を除いて、残りだけで分けられませんか?
できません。遺産分割協議は相続人全員でする必要があります。一人でも欠けた協議は無効になってしまうため、所在不明の方への対応が必要です。
相手の住所は本当に調べられるのですか?
相続手続きのために必要な範囲で、戸籍や戸籍の附票をたどって住所を確認できる場合があります。ただし取得できる書類には決まりがあるため、状況に応じて進めます。
連絡はついたが、話し合いに応じてくれません。どうすれば?
所在も生死も分かっている以上、不在者財産管理人や失踪宣告は使えません。この場合は家庭裁判所の調停・審判で分割を進める方法があります。状況に応じてご案内します。
費用や期間はどのくらいかかりますか?
戸籍調査だけで済むか、家庭裁判所の手続きまで必要かで大きく変わります。まずは状況をお聞かせいただければ、見通しをお伝えします。
まずは現状をお聞かせください
「何から手をつければいいか分からない」その段階でのご相談で大丈夫です。内容が固まっていなくても構いません。下松市・周南市・光市を中心に、費用・必要書類・進め方を最初にお示しし、見える形で進めます。初回相談は無料です。
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